【 第四回派遣 】 2016.7.12~17 ( 石田・西田 )

・実施した内容
炊き出しの手伝い、ブルーベリー農家の収穫・選別作業及び買取支援、西原村立山西小学校での慰問コンサート、仮設住宅集会所でのコンサート、支援物資の仕分け作業、被災地の商品買い付け等


・主な活動経過
前回の訪問時に洋菓子を提供したことがきっかけで、洋菓子店にブルーベリーを納めていた農家の方と繋がりができ、今回はそちらで収穫作業の手伝いや、販路確保のための協力呼び掛けなどを行いました。


また、依然としてたんぽぽハウスは全国の支援者にとって西原村の情報を得たり、支援の申し出を受け入れてもらう貴重な窓口となっており、そこでの仕事のサポートは重要な支援となっています。今回は瓦礫等の作業チームが帯同できなかったため、たんぽぽハウスのバックヤードのサポートと、コンサートやスイーツでの交流が活動の中心になりました。また、避難所が集約される一方で仮設住宅の入居者が増え、今回は仮設集会所でのコンサートもさせていただきました。コンサートは社会福祉協議会が主体の高齢者サロンにお招きいただく形で行われました。西原村の仮設集会所の催しとしては初めてのコンサート実施となりました。


さらに、前回寄付金をお届けしたことがきっかけとなり、山西小学校でも慰問コンサートをさせていただきました。震災の影響で授業が遅れていることから、授業時間ではなく、昼休みに音楽室で開催する自由参加のコンサートという形をとっていただきましたが、結果的にほとんどの児童が参加して大変盛り上がりました。





震災から3ヶ月、いまだ復興以前に復旧の途上にありますが、日常を取り戻すための支援、自立のための支援のあり方が問われる時期になっていることを感じる気づきの多い滞在期間となりました。

・現地で気づいた事
仮設住宅の集会所の活用が新たな課題となっていました。この時点では仮設団地に自治体が組織されておらず、集会所の鍵を住民が扱うことはできていませんでした。そのため、行政主体の催しを除けば集会所は施錠されており、誰でも気軽に集って仮設コミュニティーを形成し、避難生活を円滑にするという本来の機能はまだ果たせていないと感じました。今後、自治会が立ち上がり、集会所で様々な催しの支援が入ってくることで、仮設に閉じこもりがちな高齢の方などが少しでも避難生活を健康に乗り切るサポートが浸透することを願います。

また、支援するということの及ぼす影響の良い面と悪い面、両方をよく勘案すべき時期であることも行く先々で感じました。今回のような直下型地震の場合、断層から少し離れれば同じ熊本県内でもほとんど被害のない日常生活がそこにあり、買おうと思えば大抵のものは買えます。何を、誰に、どの程度までなら無償提供しても自立の妨げにならない支援になるか、その評価は簡単に下せるものではなく、村民の中でも意見が様々に分かれるところでした。支援を行うことで、短期的には果を上げたように見えても、長期的に見れば被災地の体力を奪うことになっては元も子もありません。そういう意味では、ごく初期の緊急支援活動を除けば、無償のボランティアは「大して役に立ってないけど励まされた」程度の貢献がちょうど良いのかもしれない、そんな少し極端な考えも浮かびました。

・活動により達成された効果等
ブルーベリー農家が商品を納めていた地元洋菓子店が被災し、ブルーベリーの買い手がいなくて困っている旨をSNS等で発信したところ、多くの方が買取に協力を申し出てくださいました。中でも神戸市内の有名洋菓子店が3店も、ブルーベリーの仕入れにご協力くださいました。元町にあるパティスリー・アキトさん、東灘区のラトリエ・ドゥ・マッサさん、垂水区のパティスリー・アグリコールさんの3店で、それぞれブルーベリータルトを期間限定で販売していただきました。また、人気雑貨「かえるのピクルス」の商品で、東北支援のために開発されたものの売り上げから熊本に寄付するというチャリティイベントが関東で開催され、その寄付先を探しておられたところを、たんぽぽハウスにおつなぎすることができました。現地に行けないけれど支援したいという多くの方が、顔の見える相手、効果を実感できる対象に直接支援を届けてほしいと望んでおられることを、今回の地震でしばしば感じています。