【 今後現地へ行かれる方へのアドバイス等 】

現地で避難生活をされているのは高齢者や障がい者など、日中も出歩くことが困難な方が多いです。また、車中泊を強いられる方など、自主避難者が多いのも今回の地震の大きな特徴と言えます。その結果、体を動かさないことが原因のエコノミー症候群、高血圧、足のむくみ、栄養バランスの偏り等、健康リスクが散見されました。復旧支援だけでなく、こうした方々へのケアも重要だと思います。
熊本ではその時期は過ぎましたが、災害初期には様々なサバイバル能力も求められます。例えば、プロパンガスの扱い方や、「その鍋で米を8升炊いて!」と言われた時の対応、ロープの緩まない結び方、ナイフや包丁の研ぎ方、チェーンソーなどの扱い方・・・こうしたことが即座に的確に対応できれば、非常に役立てます。そうでなければただ立ち尽くして見ているだけ、簡単な作業の指示を待つだけの時間が長くなってしまいます。現地で少しでも役立ちたい、という気持ちを効果的に発揮するには、日頃から生活能力を高め、いざという時に備えることが肝心だと感じました。ひいてはそれが、いつか自分自身が被災者になった時にも非常に役立つと思います。また、先述の通り被災地で支援を受け入れる立場の方は、何度も同じ説明を強いられるなど、大きな負担がかかります。ボランティア経験のある方が現地へ行く場合は、できる限り事前に情報収集した上で、自己完結できる備えをすることが望ましいです。一方で、災害ボランティアが未経験だという方には、何はともあれ一度現地に行っていただきたいので、あまりハードルを上げず、多少の迷惑には目を瞑ってもらうぐらいでいいのではないかと思います。一度行けば必ず多くのことを肌で感じ、考えかたが大きく変わるはずです。大切なのは、そうした人を一人でも多く増やしていくことだと思います。今回の活動でも、何度も災害ボランティアを経験しているメンバーより、初めて活動するメンバーの方が、数倍多くのことを感じ、考え、その後の生活に変化をもたらしたと思います。

【 連携の相手方及び連携状況について 】
今回連携させていただいたNPO法人にしはらたんぽぽハウスは、西原村の障害者自立支援センターとして、通所の利用者さんが作業をする就労継続支援B型の事業所です。障がい者福祉が本来業務ですが、施設長が長く社会福祉協議会にお勤めであったこと、現在も社協の理事をされていることなどもあり、西原村内の災害時要配慮者とされる方々の事情に精通されていました。それに加え、作業所が利用者さんの自主避難場所・自主炊き出し拠点になったこともあり、西原村における復興支援活動の拠点の一つとして多大な貢献をされています。同施設に知り合いの兵庫県内のNPO法人が一足早く支援に入っていたことがきっかけでつながりを持つことができ、現在も様々な形で連携が続いています。今後、西原村の方を神戸市内のお祭り等に招いて、チャリティーブースを出していただいたり、お話を伺う機会も設けたいと計画中です。また、同施設の建物も被災しており、応急危険度判定で黄色判定を受けました。施設の裏手の斜面が崩れかけていて、長引く集中豪雨などでさらに危険が拡大している恐れもあります。施設の修繕費用等で再建へ向けて課題が山積しているのが実情です。そうしたことからも、販路の途絶えた授産品買取支援は今後も継続していく予定です。